「健診」と「検診」の違い
新年度を迎えて約1か月。多くの会社では、4月~5月にかけての実施が多い「けんしん」ですが、
「けんしん」には「健診」と「検診」があり、それぞれ目的が違うということを皆さんはご存知でしょうか。
今回は2つの「けんしん」の違いについて説明します。
はじめに簡単に違いをお伝えすると…
<健診>
いわゆる健康診断のことで、自身の健康状態を確認し、病気を予防することを目的としています。
<検診>
特定の病気を発見するために行う検査のことを指し、病気を早期発見し、早期治療につなげることを目的としています。
代表的な検診は、「がん検診(胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がん等)」や「歯科検診」などがあります。
次に、それぞれの種類や違いについて詳しくお伝えします。
「健康状態の確認」に必要不可欠な「健診」
健康診断には、職場の健診、学校健診、特定健康診査など、様々な種類があります。
その中でも、一般健康診断・特定健康診査は一度は受診されたことがあるのではないでしょうか。
●学校健診
学校保健法でその実施が定められ、学校における児童生徒および職員の健康の保持増進を図るために実施されています。
身長、体重、栄養状態、視力、聴力、目・耳・皮膚・心臓などの疾患の有無を調べます。
●一般健康診断(定期健康診断など)
労働安全衛生法で、事業者が労働者に対して1年に1回以上実施することが義務付けられている検査で、検査内容は身体計測、血液検査、尿検査、胸部X線など基本的なものが中心です。
日本でもっとも多く行われている健診になります。
一般健康診断はその他にも、雇入時健康診断や、海外に6カ月以上派遣する労働者を対象とした健診、給食従業員の検便、深夜業従事者*がその業務への配置替えの際に行う 健康診断、及び6か月に1回定期に行う特定業務従事者の健康診断なども含まれます。
*午後10時~午前5時までの業務を6か月で平均して1か月あたり4回以上従事した者
●特定健康診査
40~74歳の人を対象に、メタボリックシンドロームに特化した健康診断、いわゆる「メタボ健診」のことで、生活習慣病の予防・早期発見を目的としています。検査した結果、生活習慣病の発症リスクが高いと判明した人には、保健師、管理栄養士による指導が実施されます。
「早期発見・早期治療」が目的の「検診」
特定の病気を発見するために行うものが「検診」ですが、検診にもいくつかの種類があります。
●対策型検診
予防対策として行われる公的な検診で、対象集団全体の死亡率減少を目的とします。
費用は無料か少額の自己負担で済みます
●任意型検診
医療機関などが任意で提供する医療サービスで、個人の死亡リスクを下げることを目的とします。
基本的には全額自己負担です。
任意型検診には様々な検診方法があり、自分の目的や好みに合わせて検診を選択できるという利点もあります。
「健診」と「検診」のちがいまとめ
健診:自身の健康状態を確認し、病気を予防する、いわゆる健康診断のこと
検診:特定の病気を発見するために行う検査のこと(がん検診など)
忙しさなどから、つい後回しにしてしまうこともある「けんしん」ですが、
さまざまな種類と目的がある「健診」と「検診」をうまく活用して、健康維持や病気の予防・早期発見に役立てていきたいですね。