質問数の違いから見える“目的別の選び方
「ストレスチェックの質問数って、実はバリエーションがあるってご存じですか?」
こう聞かれて、即答できる担当者はそう多くないかもしれません。
多くの企業が導入しているストレスチェックですが、質問数には23問・57問・80問・120問以上といった種類があり、それぞれに目的や特徴が異なります。
自社に合った質問数の調査票をどう選ぶべきか、そのヒントをお届けします。
健診コラム「ストレスチェック実施は義務なのか?50人未満の場合は?」
質問数=測れる情報の量
ストレスチェックの実施には、下記4種類のいずれかの調査票を用いる場合が多いです。
またこの調査票に独自設問を追加して実施する企業もあります。
労働者が50人以上の事業所では、ストレスチェックの実施と労働基準監督署への結果報告の義務があります。
結果報告書の作成には、57項目以上の調査票の内容が必要となります。
・ 23項目(職業性ストレス簡易調査票簡略版)
・ 57項目(職業性ストレス簡易調査票)
・ 80項目(新職業性ストレス簡易調査票・推奨尺度短縮版)
・120項目(新職業性ストレス簡易調査票・推奨尺度標準版)
質問数が多いほど、従業員の心理状態や職場環境について詳しく把握できますが、その分回答の負担も増します。
逆に、短い調査票は気軽に取り組める反面、得られる情報は限られます。
制度対応のための最小限で実施するのか、職場改善や経営施策とつなげるのか、選ぶべきは「自社の目的に合ったボリューム」です。
健診コラム「心の健康づくり計画で職場を元気に、企業が取り組むべきメンタルヘルス対策の重要性」
参考:厚生労働省 実施者向けストレスチェック関連情報
厚生労働省 こころの耳 ストレスチェック制度について
うちの会社に合うのはどの調査票?
ストレスチェックは、単に実施するだけでは意味がありません。
「結果をどう活かすか」「職場をどう改善したいか」その目的に応じて、質問数を選ぶことが大切です。
義務としての57問、改善のための80問、研究としての120問。
質問数の違いにもぜひ目を向けてみてください。
以下の各項目にチェックを入れてみましょう。
最も多くチェックが入った調査票が、貴社の目的・状況に合った選択肢です。
A.23項目(職業性ストレス簡易調査票簡略版)が向いている

B. 57項目(職業性ストレス簡易調査票)が向いている

C.80項目(新職業性ストレス簡易調査票・推奨尺度短縮版)が向いている
職業性ストレス簡易調査票(57項目)に、新職業性ストレス簡易調査票の推奨尺度セット短縮版(23項目)を追加した42尺度80項目の調査票です。

D.120項目(新職業性ストレス簡易調査票・推奨尺度標準版)が向いている
職業性ストレス簡易調査票(57項目)に、新職業性ストレス簡易調査票の推奨尺度セット標準版(63項目)を追加した42尺度120項目の調査票です。

厚生労働科学研究成果データベース 新職業性ストレス簡易調査票について
結果の見方

メディクラ健康管理ではストレスチェック57問、80問に対応
独自設問追加の貴社向けカスタマイズが可能
プレゼンティーイズム(従業員が出勤しているものの、体調不良や精神的な不調によって本来のパフォーマンスを発揮できていない状態)測定も可能です
まとめ
ストレスチェックは、受けることが目的ではなく「結果をどう活かすか」が本質です。
義務対応だけでなく、組織改善や人材戦略につながるストレスチェックの活用を目指すなら、質問数の違いにも目を向けてみてください。
自社の方針や健康経営の取り組みにあわせて、最適な形で実施できるようご検討ください。
※令和7年5月に労働安全衛生法等の一部改正案が国会で成立し(令和7年法律第33号)
職場のメンタルヘルス対策の推進として、50人未満の事業所についてもストレスチェックの実施が義務化されました。令和10年5月までに実施の予定です。