生理休暇とは?

 「生理休暇」は、生理日の症状により就業が著しく困難な場合に請求し、取得することが出来る休暇です。
およそ6割以上の女性は生理による不快な症状を強く感じています。

しかし、女性労働者のうち、生理休暇を請求した者の割合は令和2年度の厚生労働省の調査では0.9%です。
大半の女性は、生理の症状により体調を崩したり等、不快な症状があっても、
通院したり休暇を取得したりせず我慢する傾向にあるそうです。

生理休暇制度は必須?有給にすべき?

 生理休暇は労働基準法の第68条で「生理日の就業が著しく困難な場合は、そのものを生理日に就業させることはできません」とあります。
そのため、法に基づいて、生理休暇を従業員が求めた場合、
社内に生理休暇の制度を設けていなくても与えなければなりません。
違反した場合は三十万円以下の罰金が処されます。

生理休暇を取得する日数を就業規則等で定めることはできません。 生理による苦痛の程度や就業の難易、期間には個人差があることから一般的な基準が定められていないのです。

また、必ずしも日数単位で取得しなければならないわけではなく、
時間や半日の単位でも取得することが出来ます。

生理休暇を有給にするかどうかは会社の判断に委ねられます。
女性が有給休暇を取得した間の賃金に関しては、労働協約または就業規則に定める所によって、
有給でも無給でも差支えないとされています。

生理休暇の請求に証明書は必要?

 「生理日の症状により就業が著しく困難」である場合に、女性は生理休暇を取得できるとのことでした。
では、生理休暇の取得の際、何か証明するものは必要なのでしょうか?

結論から言うと、生理休暇の取得に医師の診断や証明は不要とされています。
労基法の考えでは、手続きを複雑にすると生理休暇の制度自体が使われなくなってしまう恐れがあるためであるとされています。

また、証明を求める必要性が認められる場合であっても、医師の診断等の厳格な証明は必要ありません。 事実であることが推測できれば同僚の証言など簡単な証明で構わないとされています。

生理はどんな症状なの?

 生理による症状やその程度には個人差があります。
生理痛は、子宮内で月経血を押し出そうとするホルモンの働きによるもので、陣痛と同じメカニズムで起きます。

そのため痛みを感じるのは生理的な現象です。

生理時の症状としては、腹痛、腰痛、気分が悪くなる、嘔吐、貧血、頭痛、食欲不振などが挙げられます。
特にこのような症状により、仕事・日常生活に支障をきたす場合は月経困難症といいます。

働く女性のための取り組みについて

 女性が働きやすい職場づくりのためには、生理休暇等を取得しやすい環境を整えたり、
女性の健康に関する理解を深めたりしておくことが大切です。

企業によっては生理休暇が取りやすくなるようにLINEのみで申請できるように配慮したり、
従業員に対して女性の健康に関してのセミナーや研修を行ったりしています。

まとめ

 生理休暇を取りやすい仕組みを整えたり、女性の健康に関する知識をつけ理解していくことが、
女性が働きやすい職場づくりの一歩となります。
困難を抱える従業員の立場から、どのような配慮が必要であるか考えることが大切です。

 [参考文献]
働く女性と生理休暇について : 厚生労働省 [PDF]
法律・制度 : 働く女性のこころと身体の応援サイト
事業所調査概要 結果概要 [PDF]
月経痛 : ヘルスケアラボ